2009年12月 8日

日本の人魚

日本でも人魚の存在が早くから知られている。最古の記録は619年とされており、大阪で漁師の網に人魚が捕えられたという記述が『日本書紀』にある。また聖徳太子が近江国(現・滋賀県)で人魚に会い、生前の悪行で人魚に姿を変えられたと聞いて手厚く供養したという話もある。

鎌倉時代の『古今著聞集』などでは、日本の人魚はヒト状の顔を持つ魚とされていたが、江戸時代後期にはヨーロッパ同様、ヒトの上半身と魚の下半身を持つ姿と伝えられるようになる。

日本各地に伝わる人魚伝説は恐ろしいものとされることが多い。江戸時代の越中国(現・石川県)では、角を持った全長11メートルの人魚を人々が450丁もの銃で撃退としたといわれる。若狭国(現・福井県)でも漁師が岩の上に寝ていた人魚を殺した後、その村では海鳴りや大地震が頻発し、人魚の祟りと恐れられたという。このように人魚が恐れられたのは、中国の『山海経』に登場する、赤子のような声と脚を持つ人魚の影響を受けたためといわれる。

一方では吉兆の幸せとの説もあり、寿命長久や火難避けとしても崇められたこともある。高野山の麓の西光寺には全長約50センチメートルの人魚のミイラがあり、不老長寿や無病息災を願う人々の信仰の対象となっていたといわれ、現在でも橋本市の有形民俗文化財に指定されている。

ヨーロッパの人魚は、上半身がヒトで下半身が魚類の体の場合を人魚と呼ぶことが多い。裸で登場する場合が多く服を着ている人魚は稀である。人魚は、マーフォーク(merfolk)とも言われ、特に若い女性の人魚はマーメイド(mermaid)、男性の場合はマーマン(merman)などと呼ばれる。老婆の人魚はあまり登場しない。伝説や物語に登場する人魚の多くは、このマーメイドである。今日では海棲哺乳動物のジュゴンの見間違いに端を発したという話(ジュゴンも参照のこと)が広く流布しているが、学術的根拠があるわけではない。むしろ象徴性とアレゴリーに積極的根拠があるものと考えられている。

不吉な象徴とされることが多く、たいていの文学作品では、人魚は最後まで幸せなままでいることはない。尾びれが1つと思われがちだが、古い絵などには2つの尾びれを持った物が多く描かれている(ヨーロッパの古い紋章の中にも、2股に分かれた尾部を持つ人魚をかたどるものがあり、そのような紋章は、現代風にデザイン化した形ではあるが、今でもスターバックス・コーヒーやマドンナ社(出版社)の商標の中に見ることができる)。

一方、東洋の人魚のイメージは、ヨーロッパの人魚のイメージを蛇女房、龍女房伝説と重ね合わせたもので、不知火や仙崎のお静伝説(不死の肉により八百年生きる少女の話)をも取り込み、八百比丘尼伝説が生まれることとなった。なぜ比丘尼かというと、「海女」→「尼」の語呂合わせである。『山海経』では「人魚」とは河に住む生き物で、テイ魚(テイは魚偏に帝。通説によればオオサンショウウオの意)に似るとされる。

サルと魚の死骸を用いてこの人魚のミイラを偽作した物が残っており、ヨーロッパへの輸出品ともなった。

近年の創作では、従来の人魚の特質に加え、人魚が自分の意思で可逆的にヒトに変身できるタイプの人魚が登場するようになってきた。


『ウィキペディア(Wikipedia)』引用

海外の人魚話はよく聞きますが、日本の人魚話はあまり聞かないのでびっくりしました。

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